換気が悪い室内でペットに由来するアレルゲンは濃縮されて、ペット・アレルギーを増加させていると考えられる。
さらにペットのふけはダニやカビの栄養分となるほか、室内湿度を高める原因の一つともなっているという。
これらのことが総合的に働いて気管支端息増加の一要因となったものと理解される。
室内塵を吸入すると、気管支瑞息や鼻炎の症状が生じることは古くから知られていた。
室内塵の中には、種々雑多なものが含まれている。
綿や絹などの糸屑、フケ、カビ、細菌、ペットの毛、ダニやそれの死骸・排池物などが含まれているわけである。
これらはそれぞれがアレルギーの原因となりうるものであるが、その中でどれが最も重要な原因物質であるかという検索がなされた。
では、いったい気管支瑞息、鼻炎や皮膚炎などのアレルギー患者のうち、どの程度ダニが原因となっているのであろうか。
その一つの例として、データは少し古いが一九七九〜一九八四年までの居住環境の変化によって室内塵(家のほこり)中のダニが増加したと述べたが、このダニこそがわが国の気管支瑞息の起因アレルゲンとして最も重要である。
ダニは、真菌(カビ)、花粉や動物の毛あかなどと同じく、空気中に存在し気道から侵入するので、吸入性アレルゲンとしてまとめられる。
五年間に、T大学物療内科をなんらかのアレルギー様症状を訴えて、受診した総計九六四人の患者の検査結果を示す。
皮層プリックテストで調べると、五六・四%と半数以上の人に反応が陽性に出た。
陽性であったすべての人のアレルギー症状が、ダニに起因するとはもちろんいえないが、これらの症例のうちかなりの人がダニが原因で症状が起こっていることは疑いのないところであろう。
ダニはおよそ世界中のあらゆる所に棲息し、家屋内にもたくさん棲みついている。
家屋の中には三○〜四○種類のダニが棲んでおり、その総数は一家屋全体で数千万から数百億と推定されている。
これらのダニは、高温・多湿を好み、気温が二○〜二一度になると繁殖し、至適湿度は七五〜八五%である。
すなわち、日本の環境に適している。
それゆえに七〜九月にかけて多く繁殖し、冬期には数が減り、春になり気温が高くなると、ふたたび増加しはじめる。
このダニの数の変動は、気管支瑞息の発作好発時期が春と夏から秋であるという事実と一致する。
では、ダニは家屋内のどの場所に多くいるのであろうか。
O・T氏らの研究により、布製のソファーや食卓椅子に最も多く、次に子どもらの愛用するぬいぐるみに数多くいることが判明した。
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